ベック 『オディレイ』 ノボカイン 歌詞考察

歌詞考察
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爆走する『コンボイ』ソング

クールなパンク、ヒップホップナンバーの“ノボカイン”

『オディレイ』の中でも強烈なインパクトを持つトラックで、オールドスクール風のラップと、パンクを融合したようなエキサイティングな曲だ。ライヴ中にときたま見せるベックのでたらめなロボット・ダンスは必見……!

エネルギッシュな演奏が楽しい“ノボカイン”のモチーフは、SFと、メカの暴走と、ナンセンスさ(ゆえの楽しさ)だ。

最期のコンボイさ。目的地も定めず、爆走するコンボイ。パワー全開、ディーゼル満載。そして、コンボイはどんどん数を増やしていく。巨大なトラックが何台も連なって、先の見えない運命に向かって、突きすすんでくんだ

『ベック』 ジュリアン・パラシオス著 山本安見訳

サム・ペキンバー監督の暴走トラックアクション映画を引き合いに出して、ベックはそう語る。

歌詞を見てもでたらめなパワー全開さと、非マッチョなベックが描くマッチョ感が描かれていて、かなり面白い。

ノボカイン 和訳

走り続けろ 麻酔薬(ノボカイン)のハリケーンよろしく

移り気なパラノイドに 安らぎはない

フューズも短命 暗号を解読せよ

いわく『あんたの肩書は?』

ミッション こいつはスゴイぜ 秘密の護衛

レントゲン 見つけたら破壊せよ 煙突 アスファルト

ノボカイン・ボーイ すっかりしびれてる

テキサスのタイコ 自虐の扉もろとも吹き飛ばせ

試験管 うまくいかない日々

狂犬病の霞んだ頭に望遠鏡から指す光

はずみで放射能にドロドロ

どきなよ 仕事の邪魔だ

何でもありのジェネレーション

シアン化物 ターンバイクを駆け降りろ

夜更けに奇跡のマイクにのせて

ギアをグラインドさせながら

大型トレイラー ブタとロボットが後に続く

障害物を踏みならし 砂嵐を上げながら

ディーゼル地獄が行く

下水のように地平線に流れ込む紫の排気

セミ・トレイラーがケツをあおる

ノボカイン 出発だ 高速道路 爆発だ

ノボカイン…

Beck ODELAY NOVACANE ベック オディレイ ノボカイン 対訳 染谷和美

どきなよ 仕事の邪魔だ 何でもありのジェネレーション

この曲の歌詞にあまり「意味」はない(多分)。あるのは一つのムードだ。それは「ハチャメチャにぶっ飛ばそうぜ」という感覚。

そんな感覚と『コンボイ』的な暴走と、オールドスクール的な韻を踏んだ歌詞が“ノボカイン”の世界を作り上げている。

その中でもベックらしいなあと感じる部分は

狂犬病の霞んだ頭に望遠鏡から指す光

はずみで放射能にドロドロ

大型トレイラー ブタとロボットが後に続く

最悪な光景とナンセンスユーモアのミックス。

そしてマッチョな部分は

走り続けろ 麻酔薬(ノボカイン)のハリケーンよろしく

レントゲン 見つけたら破壊せよ 煙突 アスファルト

障害物を踏みならし 砂嵐を上げながら

ディーゼル地獄が行く

ノボカイン 出発だ 高速道路 爆発だ

まるでメカが意識を持ったような世界観で、『トランスフォーマー』っぽくもある。クレイジーなSFって感じだ。

96年のベックは敵なしだったから、どきなよ 仕事の邪魔だ 何でもありのジェネレーションという歌詞(ノリノリだね)はかなりマジだったんじゃないかな、と推測。実際、『オディレイ』以降の音楽シーンからは自己憐憫系のグランジ亡霊は完全に成仏したように思えるし。

とにかく楽しい曲だよ、“ノボカイン”

冒頭の“ノボカイン”ハリケーンで韻を踏む感じも笑っちゃうよね。

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