ベック 『オディレイ』 レディメイド 歌詞考察

歌詞考察
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ビートを感じる“既製品”

“レディメイド”は『オディレイ』の中でも過剰なぐらいシンプルなナンバーだ。

ベック曰く「フォークソングみたいなもの」だということだ。

弾き語りで演奏できるぐらいの曲だけど、ボサノヴァ・ギターのサンプリングが入っていたり、ビートを感じるドラムパターンが鳴っていたり、退屈な感じはしない。

奇をてらったようなサウンドコラージュはなく、わりと素直に進んでいくこの“既製品”と名付けられた曲でベックはどんなことを歌っているんだろう?

レディメイド 和訳

広い道 ここなら俺も息ができる

そこで最悪の事態が俺を呼んでる

俺だけだったらどうにでもなるが

できあいみたいに くっついて動けない

俺たちがどこへ行ってたか 誰も知らない

食料はキャンセルくらって底をつく

時計は調子っぱずれにチクタクやってる

できあいみたいに バラけてく

俺の荷物は 来世で待ってる

チリが積もるぜ 次々 淡々

質屋の脳ミソ 空き箱状態

こっそり積み込むナンバー・プレート

できあいみたいに 並んでる

俺の荷物は 来世で待ってる

Beck ODELAY READYMADE ベック レディメイド 対訳 染谷和美

俺の荷物は 来世で待ってる

レディメイド(できあい)というワードは以下の歌詞で登場する。

できあいみたいに くっついて動けない

できあいみたいに バラけてく

できあいみたいに 並んでる

できあい(既製品)に意思や個性はなく、パッケージされて陳列される。ベックにとっては愉快な状態ではないだろう(チリが積もるぜ 次々 淡々)。

広い道 ここなら俺も息ができる

広い道、つまり外の世界にいれば自分でいられる。受動ではなく、自分自身の意思を発揮できる場として。ただそこでは、食料はキャンセルくらって底をつくかもしれない。

俺の荷物は 来世で待ってるの通り、この作品ができあいの音楽なのか、歴史的マスターピースなのかは時間が証明してくれるはずだ。

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