エッセイ 『霜月』 小日向ジュンコ

投稿作品

『霜月』

歯みがき粉を落とした
シャーペンの芯が飛んだ

奥歯に挟まった何かがとれない
割り箸がうまく割れない

そんな時ほど思い出し
まじないのようにその名を呟く

靴ひもをどこで直そうか
前の子も横断歩道は白を歩く派

キミは今も笑っているだろうか

甘栗が続けてきれいに剥けた
こっちに銀杏2つ入ってた

無意識に出るキミの名が
それらしくなくてよかった

そして11月が終わる

小日向ジュンコ

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