ヴァーヴのリチャード・アシュクロフトに捧げられたアコースティック・ロック・ナンバー
ぶっ飛んだ奴には、ぶっ飛んだ友だちがいる。
ということで、ギャラガー兄弟にはリチャード・アシュクロフトがいる(俺は空を飛べる! と公で発言したことでマッド・リチャードと呼ばれる)。
「オアシスの前にステージに上がれる唯一のソロ・アーティスト」リチャード・アシュクロフトは、リアム・ギャラガーと競るカリスマ性と声を持っている。そして、当然、ドラッグ漬けだし、ツアーでは暴れ回るし、まあ、ギャラガー兄弟と仲良くなる条件揃っている。
「キャスト・ノー・シャドウ」は、そんな浮き沈みの激しいアシュクロフトに捧げられたアコースティック・ロック・ナンバーだ。辛酸を嘗めたことのある貴兄なら染みること間違いなし!
キャスト・ノー・シャドウ 和訳
これはどんな男にでもあてはまる教訓
自分の未来図がどんなものか知りたがってる者なら誰にでも
奴は〝愛ある人生の表通り〟とやらを飄々として歩き続け
生存するためにあがき続ける
奴がかつて口に出した全ての理想の責任を背負いながら
奴がかつてあれほど嫌っていた場所へ縛りつけられながら
奴がかつて口に出した誓いの責任を背負いながら
やっと陽のあたる場所へ着いた時は影さえ奪われていたアイツ
連中に魂を売った時プライドまで盗まれちまったんだ
やっと陽があたる場所へ着いた時は影さえ失っていたアイツ
oasis 『 (What’s the Story) Morning Glory?』Cast No Shadow 対訳:児島由紀子
やっと陽のあたる場所へ着いた時は影さえ奪われていたアイツ
ロックは時々、死ぬ。ビートルズは解散し、セックス・ピストルズが咲かせたパンクという花は一瞬で散った。ジョン・レノンは撃たれ、カート・コバーンはショットガンで自分の頭を吹っ飛ばした。
一方で、生存するためにあがき続ける者も存在する。
理想、信念、誓い、とにかく、あがく。陽があたる場所を求めて。
だけど、辿り着いた地上で、太陽は男の影を作ることができない。
やっと陽があたる場所へ着いた時は影さえ失っていたアイツ
ノエルはアシュクロフトに対して、こう言っている。
お前は、生まれる時代を間違えた、と。
※ところがどっこい、マッド・リチャードはその後、永遠の名曲『ビター・スウィート・シンフォニー』を書いた。物凄い達成だと思う。
コメント