英雄たちに捧げる シャンペン・スーパーノヴァ
オアシスはロックで、ラッドで、ときにマッチョなんだけど、この「シャンペン・スーパーノヴァ」は、中性的というか、性を超越した趣を感じる。
瞑想的というか、ビートルズの「ア・デイ・イン・ザ・ライフ 」のような、世界の外で鳴っているような感じがするんだよな。マジカルだと思うし、傑作『モーニング・グローリー』のエンディングにふさわしい傑作だと思う。
世界中から25万人のファンを集めた伝説のネブワーズで、ノエルは「これは歴史だ!」と叫んだ。リアムは「ただのネブワーズだ」と嘯いたんだけど、ノエルは、脈々と続く偉大なロックンロール・ツリーに自分たちも連なることができたと感じたんだと思う。少年時代から見上げていた星の一部に自分もなれたんだ、と。
シャンペン・スーパーノヴァ 和訳
どれほど多くのスペシャルな英雄達が変わりはてたか
どれほど多くの人間が奇妙な生活に慣れていくか
俺達がお前に陶酔してた頃お前は一体どこにいたんだ?
ゆっくりと〝名声の大広間〟へ歩き始めたり
目にも止まらぬ速さで暴走したり
俺達がお前に陶酔してた頃お前は一体どこにいたんだ?
いつかは俺もそんな場所で発見される筈
奈落の果てまで続く地すべりの下で
シャンパン三昧の生活が約束されたあの世で
いつかは俺もそんな場所で発見される筈
奈落の果てまで続く地すべりの下で
シャンパン三昧の毎日に溺れながら
シャンパン三昧の生活が約束されたあの世で
朝焼けと共に目覚め彼女に訊いてみたとしても
夢想家は永遠に夢見つづけ彼女は不老不死
さあもうそんな涙なんかぬぐい去って
ゆっくりあの大広間へ歩き始めよう
目にも止まらぬ速さで暴走しよう
俺達がお前に陶酔してた頃お前は一体どこにいたんだ?
いつかは俺はそんな場所で発見される筈
地獄の果てまで続く地すべりの下で
シャンパン三昧の生活が約束された天国で
いつかは俺もそんな場所で発見される筈
地獄の果てまで続く地すべりの下で
シャンパン三昧の毎日に溺れながら
シャンパン三昧の生活が約束されたあの世で
世間の連中はそんな生活がイヤになれば
夏季休暇っていう逃避手段もあるけど
お前や俺は、この中で一生を終えなきゃならない
世界は相変わらずくるったような速さで逆転し続け
誰もその理由さえ知ろうともしない
どれほど多くのスペシャルな英雄達が変わりはてたか
どれほど多くの人間が奇妙な生活に慣れていくか
俺達がお前に陶酔してた頃お前は一体どこにいたんだ?
俺達がお前に陶酔してた頃
oasis 『 (What’s the Story) Morning Glory?』Champagne Supernova 対訳:児島由紀子
俺達がお前に陶酔してた頃お前は一体どこにいたんだ?
どれほど多くのスペシャルな英雄達が変わりはてたか
どれほど多くの人間が奇妙な生活に慣れていくか
超越的な視点から物語がスタートし、主人公は俺達がお前に陶酔してた頃お前は一体どこにいたんだ? と訊ねる。
ハイになっている主人公はどこにいた? と訊くけれど、どちらかというと、自分がどこにいるのかがわかっていない(ゆっくりと〝名声の大広間〟へ歩き始めたり 目にも止まらぬ速さで暴走したり)。
いつかは俺もそんな場所で発見される筈と歌っているけれど、そんな場所とはいったいどこなんだろう?
奈落の果てまで続く地すべりの下? シャンパン三昧の生活が約束されたあの世?
世間の連中はそんな生活がイヤになれば
夏季休暇っていう逃避手段もあるけど
お前や俺は、この中で一生を終えなきゃならない
主人公は気づいている。酩酊の中でしか生きられないということを。それは、A Champagne Supernova in the sky。宙にぶちまかれた酩酊の星(ロック・スター)のようにだ。
オアシスは「シャンペン・スーパーノヴァ」で、英雄たちにリスペクトを伝えた。今では、オアシスが仰ぎ見られる存在だ。いや、星になるのはまだ早い。これからも俺たちをノックアウトしてくれるはずだ。
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