UKの国歌 〝乗り越え〟の歌
もはや、サビはオーディエンスに歌わすことが定番になっているオアシス史上最も有名な曲の一つ「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」
とうとう最近では、ノエル率いるハイ・フライング・バーズのライヴで、一曲まるごとオーディエンスに歌わすという暴挙(?)に出ている。なんて贅沢なカラオケなんだ! まあ、アンセム(国歌)はみんなで歌うものだしね。
Wikipediaにもこんなこと書いてあるし。
「ワンダーウォール」のほうがオアシスの著名な曲と思われがちであるが、イギリス人にとって「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」こそが「きらきら星」のように誰もが知る身近な曲であり[32]、仮にイギリスの国歌を国民投票により選ぶことがあるならば選ばれて不思議ではない曲が「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」なのである[21]。
Wikipedia
この曲は、マンチェスター・アリーナで起きた自爆テロの追悼集会でも、合唱された曲なんだ。団結するため、過去を乗り越えるという目的で、この曲が自然派生的に歌われたというのが、感動的だ。もう、国民の血に、支えになっているということだね。
そいえば、リアムもテロで亡くなった人たちに捧げるために、グラストンベリーで「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」をアカペラで熱唱している(もちろんサビはオーディエンスに歌わす)。
そのときのリアムのコメントが素晴らしい。
「あの曲はみんなのものだろ?」
さあ、みなさんご起立ください。国歌斉唱の時間です。
ドント・ルック・バック・イン・アンガー 和訳
心の扉の中へすべり込みさえすれば
もっと祈りにふさわしい場所が
見つかるかもしれないのに
君はつぶやく、世界が始まって以来一度だって
これまで見てきた人々の栄光が
長続きした例はない、と
ベッドルームで革命ごっこを画策しても
せいぜい世間の物笑いのタネになるのがオチさ
いっそのこと新緑の輝く初夏へ飛び出し
暖炉のそばで背筋をのばし
そんな白昼夢はぬぐい去っちまうんだ
だってそんな調子じゃ俺の同情さえ買えないぜ
サリーは永遠に立ちすくむ
もう手遅れなのを知ってるから
俺達が通り過ぎるのを遠目で見送り続ける彼女
その痛々しさに心が残ったとしても
それを怒りに転嫁しちゃいけない
そう君は言うけれど
君が辿り着きたい場所へならどこにでもお供するよ
誰も踏み込んだことのない魔境であろうと
夜であろうと昼であろうと
でも頼むからロックンロール・バンドなんかに
君の人生をゆだねたりはしないでくれ
自分にさえ責任が持てないような奴らに
ベッドルームで革命ごっこを画策しても
せいぜい世間の物笑いのタネになるのがオチさ
いっそのこと新緑の輝く初夏へ飛び出し
暖炉のそばで背筋をのばし
そんな白昼夢はぬぐい去っちまうんだ
だってそんな調子じゃ俺の同情さえ買えないぜ
サリーは永遠に立ちすくむ
もう手遅れなのを知ってるから
俺達が通り過ぎるのを遠目で見送り続ける彼女
その痛々しさに心が残ったとしても
それを怒りに転嫁しちゃいけない
そう君は言うけれど
oasis 『 (What’s the Story) Morning Glory?』Don’t Look Back in Anger 対訳:児島由紀子
頼むからロックンロール・バンドなんかに君の人生をゆだねたりはしないでくれ
ジョン・レノンとオノ・ヨーコが行った、ベトナム戦争に反対するパフォーマンス「ベッド・イン」をもじったり(ベッドルームで革命ごっこを画策しても)、ジョン・レノンの「イマジン」をパクったり、全編を通してビートルズ(というかジョン・レノン)への愛で溢れている。
たしかに、曲は若干古臭い(多分、リリース当時も古臭かったはず)。だけど、それが不変ということだし、何よりも、いいメロディは古臭くても生き残り続ける。
この曲がスペシャルなのは、ポジティヴなエネルギーと、ちょっとした切なさがあるからだ。
心の扉の中へすべり込みさえすればもっと祈りにふさわしい場所が見つかるかもしれない
世界が始まって以来一度だってこれまで見てきた人々の栄光が長続きした例はない
人生はある意味、悔恨の日々だ。
だけど、それを怒りに転嫁しちゃいけない
なぜなら、俺たちは進んでいかなければならないからだ。
めっちゃ、いいこと言うじゃん。でも、ノエルは太い眉毛を寄せて、皮肉な笑みを浮かべながら言う。
頼むからロックンロール・バンドなんかに君の人生をゆだねたりはしないでくれ
そう。これこそがオアシスが体現するメッセージなんだ。
自分の人生を決めるのは自分。だよね?
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