プライマル・スクリーム流ロックンロール・ライフ かく語りき
ライオット・シティの住民たちはぶっ飛んだやつばかりで、ぶっ飛んだ言語を話し、ぶっ飛んだことをする。全員不幸だけど、全員がゴキゲンというフィールを持ったぶっ飛んだ曲だ。
ザ・キルズのヴィヴィが参加しているJools Hollandの動画を公式がアップしているのでどうぞご覧ください。
リトル・バーリーのバーリー・カドガンがクールに弾いてる脇で、ノリノリでベースを弾いているマニがかっこいい。ヨレヨレなボビーだけど、けっこう頑張っていて好き。大好き。ヴィヴィも「オーライ!オーライ!」していて好き。
ザ・キルズがデビューしたときに、ボビーはいち早く「世界で一番セクシーなバンドだ」とキルズを称えていて、このコラボレートは念願といってもいいかも。
この曲を聴くと、初めてバンドを組んだときの情熱や喜びなんかを思い起こさせる。理屈抜きで、シンプルに「ロックしようぜ!」といったエナジーが満載だ。
スーサイド・サリー&ジョニー・ギター 和訳
スーサイド・サリーとジョニー・ギター
彼女はオーバードーズ 彼は自動車で衝突事故
アンフェタミン・ジョージは頭に穴を撃ち抜いて
血液も尽き友だちもいなくなっちまった
大丈夫 大丈夫 ベイビー ベイビー オレはうまくやってる
大丈夫 大丈夫 ベイビー ベイビー ゴキゲンにやってる
とんまな可愛い子ちゃん 最高のクイーン
彼女はいけないオートバイ
言ってる意味わかるだろ
司祭のを啣えてクスリを手に入れたのさ
そのクソッタレは十字架の数珠で窒息しちまった
シリコン・スージーは整形娼婦
顏と同じで魂もプラスチック
彼女は彼だから自分の体が大嫌い
ビョーキを満足させるために
きわどいストリップショーを演ってるのさ
オレにはロッコンロール医師と
ロックンロール看護婦が必要
一発注射してくれ クスリをくれ
ナイフなんかいらない
銃もいらない
オレは人間の頭蓋骨でできた冠を持ってるんだ
プライマル・スクリーム 『ライオット・シティ・ブルース』 スーサイド・サリー&ジョニー・ギター 訳:沼崎 敦子
オレは人間の頭蓋骨でできた冠を持ってるんだ
登場人物はスーサイド・サリー、ジョニー・ギター、アンフェタミン・ジョージ、シリコン・スージー、司祭、ロックンロール・ドクター、ロックンロール・ナース。
まず、冒頭でサリーはドラッグのオーバードズで死亡、ジョニーは交通事故にあう。ジョージはその名の通りドラッグで廃人。このスピード感とやっつけ感が最高である。続くフレーズは
Alright! alright!(大丈夫 大丈夫)
とんまな可愛い子ちゃん 最高のクイーン
彼女はいけないオートバイ
言ってる意味わかるだろ(わかる。卑猥な意味で)
司祭のを啣えてクスリを手に入れたのさ(oh…)
そのクソッタレは十字架の数珠で窒息しちまった(/(^o^)\ナンテコッタイ)
モラルが荒廃している。さすがライオット・シティ。
シリコン・スージーは整形娼婦
顏と同じで魂もプラスチック
彼女は彼だから自分の体が大嫌い
このフレーズはけっこう文学的。痛々しい悲哀。
オレは人間の頭蓋骨でできた冠を持ってるんだ
このフレーズが最高。ぼくはいつかこのフレーズを使ってみたいと思っているけれど、未だ使う機会がない。
この曲は「ロックの歌詞に意味はない」の好例かも。タイトルのスーサイド・サリー&ジョニー・ギターが思い浮かんだだけで成功している。そして歌詞の意味を考えている間に物語が凄い速さで流れていってしまう。モラル崩壊や悲惨な景色を通過したあとに響く言葉は、Alright!alright!(大丈夫 大丈夫) だって、オレは人間の頭蓋骨でできた冠を持ってるんだ。

コメント