『キッドA』と『アムニージアック』を繋ぐ鍵
『キッドA』は、「現実――目を背けたい現実や、現実の果てに訪れる世界」を感じされるけれど、『アムニージアック』は、「忘れ去られた世界、過去、失ったもの」を想起させる。
『キッドA』のほうが、危機的で、『アムニージアック』は、もっと内省的で、儚い。
この“モーニング・ベル”が二つのアルバムを繋ぐ鍵なのかも。
以前の投稿で俺はこう書いた。この印象は未だに変わっていない。
モーニング・ベル/アムニージアック 和訳
朝を告げる鐘の音
朝を告げる鐘の音
ロウソクをもう一本灯して
僕を解き放ってくれ
僕を解放してくれ
家具は君にあげるから
頭にたんこぶ
煙突から聞こえてくる唸り声
僕を解放してくれ、自由にしてくれ
ああ
車はどこに止めた?
車はどこに止めたんだ?
芝生の上に服が家具と共に散らばっている
そうだね
そうする方が良さそうだ
寝惚け眼のジャック 火災避難訓練で起こされて
ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐると
子供たちを真っ二つに切り裂け
子供たちを真っ二つに切り裂け
子供たちを真っ二つに切り裂け
僕を解放してくれ
Radiohead Amnesiac Morning Bell / Amnesiac 対訳:今井スミ
子供たちを真っ二つに切り裂け
朝を告げる鐘の音
朝を告げる鐘の音
ロウソクをもう一本灯して
僕を解き放ってくれ
僕を解放してくれ
朝が来てロウソクを灯す。本当にこれは「朝」なのか? 閉塞された世界で「解放してくれ」と叫ぶ僕。
車はどこに止めたんだ?
芝生の上に服が家具と共に散らばっている
そうだね
そうする方が良さそうだ
完全な混乱の中、おぞましい言葉で物語は締めくくられる。
子供たちを真っ二つに切り裂け
子供たちを真っ二つに切り裂け
子供たちを真っ二つに切り裂け
僕を解放してくれ
これは、もしかしたら離婚についての曲なのかもしれないな。子供は親の間で引き裂かれる、っていうね。
どこでもない場所で、解放を叫ぶ哀れな主人公に果たして「解放」は訪れるのか? なんだか難しそうな気もするんだな。
リンク
リンク
コメント