ザ・ストロークス 『イズ・ディス・イット』 トライング・ユア・ラック 歌詞考察

歌詞考察
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ロマンティックが加速する“トライング・ユア・ラック”

アルバム『イズ・ディス・イット』で最もロマンティックな曲はこの“トライング・ユア・ラック”だ。

この曲は、地味っちゃ地味なんだけど、“ニュー・ヨーク・シティ・コップス”と“テイク・イット・オア・リーヴ・イット”の間で、独自の存在感を放っている。ギターのストロークを一定のタッチで鳴らすことで、シンセサイザーのような音の連なりを巧みに作りだしていたり、ベースの“間”も見事。

このインテリジェンス溢れる構築性を破壊するようにシャウトするジュリアン・カサブランカスがワイルドで素敵だ。

トライング・ユア・ラック 和訳

もう戻れないと言った君

あれはもう、過去に全て見たと

僕も分かってるよ

道中で、君を売った奴ら

おぉ、ハニー、大丈夫だよ

傷つきやしない、彼は武装してる

君の警報機を全てオフにする

僕が気付く時

この罠をしかけたのは君であって欲しい

店頭はほとんどいつも変わらない

少なくとも僕はまた一人

君とどこかで一緒にいるのではなく

でも僕にとっては、全て同じ

僕は自分のページを失った

これはかなり珍しいことだと知ってる

でも君と一緒に運を試してみるよ

この人生、僕に味方してるから

僕は君のものだよ?

「信じて、これが君のチャンスだ」

何が売られてるのか見てみよう

彼は自分の仕事に機会を与えようと頑張ってる

決してそうはならないだろう

哀しいけど、僕は同意せざるを得ない

信号が正しくないようだ

たった一晩しかもたないみたいだ

ああ言ったこと、すまなく思う

僕達はただの良い友達だと

傷つきやしない、彼は武装してる

君の警報機を全てオフにする

彼らは罠にかかってる

僕は時間どおりにそこに行けない

それについて考えるよ…

THE STROKES 『IS THIS IT』 “Trying Your Luck” 対訳:岡本将生

でも君と一緒に運を試してみるよ

この曲でジュリアンは持ち前のシニカルさを抑えて、ロマンティックさを前面に押し出しているような気がする。端的に言うと「希望」がある。

もう戻れないと言った君

あれはもう、過去に全て見たと僕も分かってるよ

このへんはけっこうストロークスしてる感じだね。感情に波は立っていないクールな態度の主人公。

少なくとも僕はまた一人

君とどこかで一緒にいるのではなく

でも僕にとっては、全て同じ

僕は自分のページを失った

あれ、けっこうロマンチック。「少なくとも僕はまた一人」から「僕は自分のページを失った」に続く詩的な悲哀はなかなかいいぞ。グッとくるものがあるね。

これはかなり珍しいことだと知ってる

でも君と一緒に運を試してみるよ

この人生、僕に味方してるから

僕は君のものだよ?

悲哀から反転して「希望」を歌うジュリアン。タイタニックのレオナルド・ディカプリオぐらい甘いぞ。でも、それが様になっているんだな。

人生にチャンスはそう多くない。というか少ない。白紙のページはどんどん少なくなっていく。本当は誰だって自分の人生に意味がほしい。無益な日々は空費され、自分のページは失い続けるばかりだ。でも、思い切って運を試してみるのも悪くない。「信じて、これが君のチャンスだ」

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