タフな小娘のことを歌ったタフな歌
“もう一度彼女が行くところ” 原題は“There She Goes Again”
The La’s の名曲”There She Goes”と似たタイトルだ。こっちはラブソング風に見せかけたドラッグ・ソングだけど、ヴェルヴェッツのこの曲は、タフな小娘のことを歌ったタフな歌だ。
曲はストレートなポップ・ロック。レコード会社で専属ライターをしていた時代のルー・リードの手腕が発揮されている。構成もしっかりしていて、楽しいコーラスもあり、エンディングの加速感も楽しい。シングルにもなりそうな感じ。ゆえにこのアルバムでは異色になっているという不思議な曲。
それでは歌詞を見ていこう。
もう一度彼女が行くところ 和訳
また彼女が歩いていく
また通りに出てきたんだ
みんな、ほら、彼女は跪いてる
でも彼女は二度とおまえに
お願いなんかしないさ
見てごらん、彼女は
涙ひとつ浮かべてやしない
彼女は誰からも奪い取ったりしない
おまえ、どうするつもりだい
通りを歩いてる彼女が見えるだろ
彼女が出会うおまえの友達みんな見てみろよ
彼女を殴ったほうがいいぜ
ほら、また彼女が歩いていく
彼女、またノック・ダウンされちまった
みんな、見ろよ、彼女は跪いてる
でも彼女は二度とおまえに
お願いなんかしないさ
見てごらん、彼女は
涙ひとつ浮かべてやしない
鳥のように彼女は飛んでいくんだ
おまえ、どうするつもりだい
通りを歩いてる彼女が見えるだろ
彼女が出会うおまえの友達みんな見てみろよ
彼女を殴ったほうがいいぜ
見てごらん、彼女は
涙ひとつ浮かべてやしない
鳥のように彼女は飛んで飛んで
飛んでいってしまうのさ
通りを歩いてるおまえを見るだろう
彼女が出会うおまえの友達みんな見てみろよ
彼女はおまえの睾丸に鎖をつける
おまえを傷つける
彼女はうまくやるさ、バイバイ
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド ”もう一度彼女が行くところ” 対訳:AKIYAMA SISTERS INC
鳥のように彼女は飛んでいくんだ
もう一度彼女がいくところ、それはどこなんだろう?
何度も殴られて、跪かせられても、彼女は涙ひとつ浮かべていない。DVソングといったらいいのかな。ラストのシーンの、彼女はおまえの睾丸に鎖をつけるってのが怖いよね。
ただの痴話げんかっぽい感じもあるけれど、
鳥のように彼女は飛んでいくんだ
彼女はうまくやるさ、バイバイ
という歌詞から、服従の拒否、否定というメッセージを感じて清々しい感じを受ける。
「彼女」は暴力には決して屈しない。決して!
ルー・リードはこのアルバムでニューヨークのアウトサイダーたちをたくさん登場させているけれど、この曲が唯一ポジティブな主人公な気がする(めっちゃ殴られているけど)。
でも大丈夫。彼女はうまくやるさ、バイバイ!
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