レディオヘッド 『アムニージアック』 パックト・ライク・サーディンズ・イン・ア・クラッシュト・ティン・ボックス 歌詞考察

歌詞考察
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『キッドA』の双子『アムニージアック』のオープニング・ナンバー

「記憶喪失者」と名付けられたアルバムのオープニングを飾るのがこの“パックト・ライク・サーディンズ・イン・ア・クラッシュト・ティン・ボックス”だ。

「潰れたイワシの缶詰のように詰められて」というタイトルが表す通り、ダンサブルなビートなのに、どこか閉塞感がある楽曲。

アムニージアックのジャケットに顏を覆って泣いている人物(ミノタウロスらしい)がいるけれど、もしかしたらこの曲とリンクしているのかもしれない。

ミノタウロスはクレタ島の迷宮から逃れられない。

じゃあ、現代の僕たちが逃れられないのは?

Packt Like Sardines In a Crushd Tin Box radiohead

パックト・ライク・サーディンズ・イン・ア・クラッシュト・ティン・ボックス 和訳

何年も待ち続けたのに

何も起こらなかった

これまでの人生が走馬灯のように目の前に浮かんで

気づく

僕だって道理はわきまえている

とやかく口出しするのはやめてくれ

Radiohead Amnesiac Packt Like Sardines In A Crushed Tin Box 対訳:今井スミ

気づく

何年も待ち続けたのに何も起こらなかった

これまでの人生が走馬灯のように目の前に浮かんで

気づく

たったこれだけのセンテンスなのに、途方もない倦怠が現れている。

終わりのときに僕たちは気づいてしまう。結局、何も起こらなかったことに。

きっと僕たちは何かの罠にはまっている。それぞれ固有の迷宮に。出口はとても見えづらい。抜けた先が幸せとは限らない(僕だって道理はわきまえている)。

レディオヘッドは、この曲で現実を極めて現実的に書いた。たった数行でね。安易な夢や希望には逃げない。だって僕たちは、現実に、現実の世界に住んでいるんだから。そしてこの現実は潰れたイワシの缶詰のように窮屈だ。

とやかく口出しするのはやめてくれ

そう叫びたくなる現代において、救いはあるのだろうか?

「気づく」こと。それがヒントになりそうだ。

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