ニューヨーク・シティの霊薬
SOMA、神々の飲み物、神秘の霊薬。ヴェルヴェット・アンダーグラウンド直系のストロークスが霊薬という言葉を持ち出したら、それはすなわちドラッグのことだろう。
この曲は切れ味の鋭いギターの反復と、後半のジュリアンのエモーショナルなボーカルが特徴的なロック・ナンバーだ。
スカスカなビートと、クールなギターワークと、ボーカルの凄み、という『イズ・ディス・イット』の良さが表れた佳曲だ。
ソーマ 和訳
Somaとは、人が困難な時によって
目を開けられた時、手にするもの
新しい種類の痛み
新種の薬に付く高い賭け金
太陽光線との競争
いちじくの木に敗北
その瞳の中で
僕は止まり、そして行く
始めて彼女を見た時
その目が閉じると同時に唇が動いた
彼の声が何かを言うのが聞こえた
「俺も行くよ」と言って
出ていってしまった
なんだか彼は、彼らのようになろうと
しすぎているみたいだった
僕は止まり、そして行く
彼らはそれを一度試し、すぐに気に入った
そしてそれを隠そうとした
「もう25年もやってる」と言う
でももう僕は相手にしない
友達はまだ欲しがっている
でも、もうどうでもいい
THE STROKES 『IS THIS IT』 “Soma” 対訳:岡本将生
新しい種類の痛み
Somaとは、人が困難な時によって目を開けられた時、手にするもの言い回しはくどいけれど、
新しい種類の痛み 新種の薬に付く高い賭け金
と続くことから“SOMA” がドラッグ・ナンバーであることは間違いなさそう。
後にアルバート・ハモンドJR.が深刻なヘロイン中毒に陥ってしまうことを考えると、 友達はまだ欲しがっている でも、もうどうでもいいの歌詞はけっこう切ないものがある。
太陽光線との競争
いちじくの木に敗北
その瞳の中で僕は止まり、そして行く
ここの歌詞は詩的で素晴らしい。 不可能性の中、それでも進んでいくんだ、というロックバンドとしての意思が表れている。どれだけ、クールなモダンエイジでも、ちゃんとロックしているのが嬉しい。
ロックは「乗り越えていく」ことを歌っていてほしいからね。それが邪悪なものでも、モラルに反するものであっても。
“SOMA” めっちゃいいよ。クールな印象が強いアルバムだけど、この曲はかなりエモいからね!
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