ベック 『オディレイ』 ザ・ニュー・ポリューション 歌詞考察

歌詞考察
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ベック流の風刺ソング

「トゥッル♪ルルル♪ルルルル♪」

爽やかなコーラスで幕を開ける“ザ・ニュー・ポリューション”

ビートルズのタックスマンのような軽快なリズム、ビートが特徴のダンスナンバーだ。ベックは、この曲で洗練されたクールなボーカルを披露している。お洒落な曲と言ってもいいかもしれない。ただ、このお洒落な曲にはベック流の風刺、毒が孕んでいる。

PVもベックらしい、ナンセンスさとクールさが同居した味わい深い映像作品になっている。クラフトワークをパロったグループが登場するシーンが素敵。

ザ・ニュー・ポリューション 和訳

彼女は両腕にタバコを抱えてる

クボミもヒビも みんな真っ白

月につないだキャブレター

ピンクの瞳が見つめる年輪

新手の汚染の中 彼女は独りぼっち

苦悩の歯車に彼女は手を染めた

見知らぬ意地悪な連中ともしゃべれる

火だるまの中で眠ることもできる

悩みはまとめて 燃えさしに放り込む

新手の汚染の中 彼女は独りぼっち

彼女はみごとにカモフラージュしてる

ムチの跡のように俺をゾクゾクさせる

彼女は剥き出しの海に乗り出した船

荒れくれた流れを静かに進む

Beck ODELAY THE NEW POLLUTION ベック オディレイ ザ・ニュー・ポリューション 対訳 染谷和美

新手の汚染の中 彼女は独りぼっち

彼女は両腕にタバコを抱えてる

主人公の彼女は、有害物質に囲まれている。

クボミもヒビも みんな真っ白

月につないだキャブレター

キャブレターは、ガソリンと空気を混ぜてエンジン内部に送り込む「燃料供給装置」

月につなぐ、という表現は行き過ぎたテクノロジーを表しているのかな。タバコを抱えた彼女同様、有害物質によってみんな真っ白だ。

ピンクの瞳が見つめる年輪

新手の汚染の中 彼女は独りぼっち

サビで、タイトルの新手の汚染(ニュー・ポリューション)という言葉が登場。物心がつくときには、すでに新種の公害に侵されている、という現代への風刺だろう。

苦悩の歯車に彼女は手を染めた

見知らぬ意地悪な連中ともしゃべれる

火だるまの中で眠ることもできる

ここのフレーズは、自分を誇示するための消費(苦悩の歯車)、そしてそういったもののためには自分を偽ってもいい、という自己顕示欲求を表している。

だから、彼女はみごとにカモフラージュしてるというわけだ。

アメリカ、西海岸。コマーシャルの世界が巨大になっていた時代をベックは痛烈に風刺している。

そして、新手の汚染は現在も手を変え品を変え、続いているような気がする。

口ずさめるぐらい軽快でキャッチーな“ザ・ニュー・ポリューション”

多分、この曲のような心地よさの中で、ぼくたちは今日も新手の汚染に侵されている。

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